未来の代名詞だった「21世紀」が到来し、町を行く人々が携帯電話で会話をし、また家にいながらインターネットで世界中にアクセスできる ――そんな少し前までの「未来図」が現実のものとなりました。
こうした情報化社会の急速な進展は、人々の生活をより豊かに、便利にする一方で、新たなストレス源となっていることが問題点として指摘されています。ストレスが関連した病気は全般的に増加傾向にありますが、下痢・便秘などを生じる病気も、その一つとして最近、注目を集めています。
こんな症状はありませんか?
便通異常
- しょっちゅう下痢をする。
- 便秘が続いている。ころころとした便が出る。
- 下痢したり便秘したり、症状が数日おきに交替する。
腹痛
- お腹が痛い。不快感がある。
- 腹痛は排便で軽快する。
悪化要因など
- すぐにトイレに行けない状況(急行電車など)で症状が悪化する。
- ストレス、緊張なども悪化要因となる。
- 朝、出かけるときに症状があり、夕方、帰るときには症状がないか、もしくは軽い。
- 眠っているときや休日には症状がない。
それは、過敏性腸症候群かもしれません。
腹痛と下痢・便秘などの便通異常が慢性的に持続する--それは、過敏性腸症候群かもしれません。
過敏性腸症候群とは
- おもな症状は、排便により改善する腹痛と便通異常(下痢・便秘)。
- 慢性的に( 1カ月以上)症状が持続。
- 症状を説明できる腹部の病気がない。
- ストレスが関与。
- 重症になると、通勤電車に乗れないなど生活に大きな支障をきたすことも。
- 英名は irritable bowel syndrome(IBS)。
過敏性腸症候群の疫学
- 予備軍ともいえる「下腹部痛」は6人に1人。
- 20~30歳代に多い。
過敏性腸症候群の分類
- 下痢型/便秘型/交替型(下痢と便秘が交替で現れる)に分類。
- 患者数は、多い順に、交替型、便秘型、下痢型。
- 下痢型は男性、便秘型は女性に多い。
- 便秘型もつらいけれども、下痢型はもっとつらい。
→医療機関の受診率は、便秘型は約1/3、下痢型は半数以上。
続きは『過敏性腸症候群』の
冊子(PDF)をご覧下さい
発行:一般社団法人 日本臨床内科医会