日本臨床内科医会は、1985年に①第一線内科診療に携わる医師がそれに相応しい研修の場、研究発表の場を持つ必要があること、②医療保険制度においての改善、向上を目指すことを目的として、全国の内科医会の熱意を背景に発足しました。
日本医師会、日本内科学会と緊密な連携をとりながら各種の事業をすすめてきました。
日本臨床内科医会はすでに全国47都道府県内科医会の団体加盟を得て1万3千人弱の会員を擁する内科系臨床医学実践の専門職集団となっています。
近年の医療の進歩に伴い、内科領域の医療は専門分化する方向にあります。しかし、かかりつけ医として患者の健康問題に第一線で直接対応しなければならない臨床内科医には総合的な内科診療の知識、技術が必須です。日本臨床内科医会は正にこの総合内科医の養成と技術の向上を会の責務であり、日進月歩の医学・医療の研鑽に努めることが専門集団の責務であると考えています。私どもは、お互いに切磋琢磨する心を持ち続け、日本の医療の向上に努力していきたいと思っています。そのために独自の学術活動(医学会、総合学術集会、学術講演会、Webセミナー、会誌やニュースの発刊)などを行っています。
また、日本人での臨床医学のエビデンスを構築すべく、各種の臨床調査、臨床研究を実施してきました。本会は研修制度を設け、認定医・専門医制度を整備充実させ、質の担保を行ってきました。また、倫理審査委員会を持ち、会員の臨床研究も支援しています。
さらに、学術活動のみならず診療報酬改善のため、医療保険に係わる研究及び活動も実施しています。
地域医療に関しては、僻地・離島あるいは地域において住民の皆様に密着した地域医療に永年従事し、優れた功績を挙げ、地域住民の健康増進に著しく貢献してこられた会員を表彰しています。全国の日本臨床内科医会の会員が、最新の知識、技術を持って国民医療の向上に努めています。
私達の行っている事業として、主として以下のことが挙げられます。
最近になり「かかりつけ医」の役割が重要視されるようになってきました。日本臨床内科医会は、「かかりつけ内科医」のプロとして、地域で信頼されるようになることを目指しています。私たちの会員の医療機関は、「あなたの近くのかかりつけ医」で検索できます。骨粗鬆症、過活動膀胱、疼痛を主に扱う高齢女性を対象とした「女性のミカタ」プロジェクトの普及にも取り組んできました。参画医療機関は検索できます。
学術活動について補足致します。
本会はこれまでに、実地医家のための日常診療の手引きとして「内科診療実践マニュアル、「内科処方実践マニュアル」を発刊しました。これらは診療の時系列に沿って分かりやすく解説し、内科医が知っておくべき他科の知識も網羅したもので、臨床内科医が座右の書として活用できるものです。
臨床内科学に貢献する調査研究として、糖尿病性神経障害の調査、高齢者高血圧の降圧目標値のための研究、アスピリンによる動脈硬化疾患の予防に関する研究、原発性アルドステロン症の実態調査、DPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬の有効性と安全性の研究、慢性腎臓病の医療連携の実態調査等を行い、高い評価を受けました。
さらに毎年冬に流行するインフルエンザに関する研究は、世界的にも大変注目されています。患者向けの「よくわかる病気の話」シリーズを発刊し、多くの国民に読まれてきました。日臨内「かかりつけ医のためのWEB講座」〜スペシャリストがジェネラリストになるために〜は多くの医師に視聴されています。会員はアーカイブで全編を視聴することができます。
このように日本臨床内科医会は、内科臨床に励まれる方々に開かれた有意義な組織であり、特に内科を標榜している医師の入会を強く呼びかけています。将来、大学病院,市中病院に勤務されている先生方で内科系医療機関の開業を予定されている先生の入会もお待ちしています。必ずや、ご期待に沿えるものと思っています。
先人たちの熱意で創設されたこの会を、皆で発展させていきましょう。