CKDアンケートに関する論文が掲載されました。

日臨内腎・電解質班で行ったCKDアンケ―ト調査の結果をまとめた論文がClinical and Experimental Nephrology 2021に掲載されました。


タイトル
Nationwide questionnaire survey on the management of chronic kidney disease for general practitioners in Japan

学術雑誌;
Clinical and Experimental Nephrology 2021 https://doi.org/10.1007/s10157-021-02084-x
著書;
Satoru Tatematsu,· Kazuo Kobayashi,·Yasunori Utsunomiya, Taisuke Isozaki, Tsuguru Hatta, Takuo Kusumoto, Masanobu Miyazaki, Nobuo Hatori, Haruhisa Otani

研究概要
世界に8億人いるといわれる慢性腎臓病(CKD)は実地医家にとって最も管理すべきcommon diseaseの一つであり、日本腎臓学会からCKDガイドラインも発刊されているが、CKDの普及はいまだに十分とは言えない。日本臨床内科医会は2019年に2回目となるCKD診療に関する実地医家の全国調査を実施し601名が回答した。CKDガイドラインについて171名は「利用している」と回答したが、一方414名は「利用、所持もない」との回答だった。今回我々は、CKDガイドラインの利用の有無が、CKD診療にどのような影響を及ぼすかの統計解析を行った。一般的に2群比較の場合は各々の背景因子が異なり結果に影響することが考えられるため、今回我々は回答者の背景因子(専門、勤務形態、医療圏規模、年代)につき傾向スコアマッチングによる調整を行い解析した。結果としてアルブミン尿や蛋白尿評価、eGFR評価、シスタチンC評価、血圧測定、貧血治療といったCKD診療の基本にかかわる要因において、CKDガイドライン利用が有意に関係していたことを明らかにした。実地医家におけるCKD診療をより進化・成熟させる必要があり、CKDガイドラインはそのために有益なものと考えられた。

日本臨床内科医会学術委員会 腎・電解質班