日本臨床内科医会

かかりつけ医のためのWEB講座

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第6回(2022年5月)

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MTXのみで治療困難な関節リウマチ症例に対する生物製剤の応用と事前の感染症チェック

日本臨床内科医会 学術部アレルギー・リウマチ班 土田 哲雄

1)関節リウマチに対して、適切な量でのMTX治療を行っても、6ヶ月以内に寛解又は低疾患活動性に至らない場合は、生物学的製剤または、JAK阻害剤の併用を考慮する。

2)生物製剤やJAK阻害剤の使用前に、肝炎ウイルス、結核感染既往、Pneumocystis肺炎についてのモニタリングを行い、必要とあらば、的確な予防処置を取る。特に、高齢で、肺疾患を持ち、プレドニゾロン6mg/日以上の内服がある場合は、予防処置が重要となる。

3)関節リウマチの活動性を見る上で、MMP-3が重要となる。関節破壊を予防するには、CRPと共に、MMP-3の正常化も必要となる。ただし、ステロイド投与中は、MMP-3は非特異的に高値となるため、注意が必要である。(正確な病態把握の点からも、ステロイドの速やかな減量、中止が必要となる。)