日本臨床内科医会

かかりつけ医のためのWEB講座

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第1回(2021年11月)

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'With コロナ'における高血圧診療

日本臨床内科医会 学術部循環器班 有田 幹雄

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、人と人の接触を避け、旅行を自粛し自宅に閉じこもることなどが要請されている。感染を避け、コミュニケーションを上手にとる知恵を働かせて、ウイルスに負けない社会を築いていくことが大切である。一方で我が国の脳心血管病による死亡数への危険因子は高血圧が10万人を超えて最も多いことが報告されている。コロナ後を見据えての生活習慣病対策としても高血圧予防が重要である。
日本の高血圧患者数は約4300万人である。診断方法が進歩したにも関わらず治療を受けていない患者が1850万人(44%)、治療方法が進歩したにも関わらず降圧目標未達成の患者が1250万人(29%)存在している。治療を受けて降圧目標を達成している患者はわずか1200万人(27%)しかいない。即ち高血圧治療は大きく進歩したが、約3100万人がコントロール不良であるということになる。
高血圧管理には高血圧を正確に診断し、ガイドラインに準じて降圧目標を設定し、その値を患者と共有し、降圧薬を適切に選択し、適切な量の処方を行うことが重要である。また、服薬アドヒアランスの管理とコロナ後を見据えてITを用いた高血圧管理も取り入れる必要がある。