2023年11月アーカイブ

HPVワクチン接種経過措置について

教えて!日医君!HPVワクチン2~知っていますか?若い世代に増えている子宮頸がん~

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種勧奨資料に至った経緯・背景・目的

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子宮がんは、がん発生する部位で、子宮頸がんと子宮体がんに分けられます。現在、日本における子宮頸がんは約1.1万人/年が病気にかかり、約2,900人/年の女性が亡くなっています。主な原因が、HPV(ヒトパピローマウイルス)の子宮頸部への感染です。20歳代と30歳代に好発し、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人も、毎年、約1,000人います。このように、子宮頸がんは、女性にとって予防したい"がん"の一つです。HPVの感染を予防するHPVワクチンは、3種類(2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9))あります。2価ワクチン(サーバリックス)および4価ワクチン(ガーダシル)は、HPVの中でも子宮頸がんをおこしやすい型であるHPV16型と18型の感染を防ぎ子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎ、9価ワクチン(シルガード9)では、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぐと考えられています。2019年以降、複数の北欧諸国から、ワクチンを接種した女性では、ワクチンを接種しなかった女性と比較して浸潤がんの罹患率が低いことが報告されており、子宮頸がんはHPVワクチンによって予防可能であることが証明されました。そして、WHOからの提言でワクチン接種率と検診受診率があがれば子宮頸がんが排除可能と提言されています。
既に世界中で広く、長い期間、使用されているワクチンであり、WHOを含め世界中で安全性が定期的に確認され、これまで推奨変更をした国はありませんが、2013年日本においては、ワクチン接種後に報告された多彩な症状に対する調査のため国の積極的勧奨中止をうけ待機接種廃止に近い影響が出てしまいました。国内にける調査が行われ、多彩な症状とHPVワクチンとの因果関係は認められないとの専門家会議の結論をふまえ、2022年4月より積極的勧奨が再開されました。ワクチン接種の積極的勧奨は再開されましたが、諸外国と比べてかなり低い接種状況が続いています。積極的勧奨中止前において、HPVワクチン接種の50%を内科の先生方が行っていたデーターが存在します。
内科の先生やかかりつけの医師は、ワクチンの対象者だけでなく、対象者の家族(親御さん・お祖父さん・お祖母さん)と接触する機会が多いと思います。
子宮頸がんによって、若い女性が、ご両親に見守られながらあるいは小さなお子さんに見守られながら最後を迎えるという悲しい場面や一生妊娠出産ができなくなるような状況を防ぐためにも、我々内科医やかかりつけ医がHPVワクチンの重要性を対象者や家族に伝えて、ワクチンを接種するかどうか選択する機会を作ることは非常に重要なことであり、今回の資料作成に至っております。
ぜひ、啓発資料をダウンロードしてご利用いただければ幸いです。

日臨内「かかりつけ医のためのWEB講座」
〜スペシャリストがジェネラリストになるために〜
2023年12月21日(木)19:30~21:45

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日臨内では、2021年11月より「かかりつけ医のためのWEB講座」〜スペシャリストがジェネラリストになるために〜と題してWEB講演会を開催しております。

目的は、会員の先生方にご専門以外の知識を補充する機会を設け、かかりつけ医としての知識やスキルを更に高めていただきたい事、もう一つの目的は、会員外の先生にも日臨内を知っていただき、日臨内の活動に興味を持っていただくことにあります。ご専門外の分野の知識・ノウハウを補充されたい場合や、病院勤務医で開業を考えておられる先生にとっては最適な講演会だと考えています。この企画には日本医師会の後援をいただきました。

参加費についても会員・非会員を問わず多くの先生にご参加いただけるよう無料です。またご参加いただいた先生には、日臨内の認定医・専門医制度の単位だけでなく、日本医師会の生涯教育講座の単位も取得していただけます。お知り合いの先生にもお声がけいただければ幸いです。

内容は、当会学術部の先生に、ご専門の立場から、かかりつけ医として知っておいていただきたいことをお話いただきます。学術部の先生方のご講演は日臨内会員専用のライブラリーに蓄積していきたいと考えています。
12月度のWEB講座は以下の内容で行います。

お申込はこちらから

日臨内「かかりつけ医のためのWEB講座」
〜スペシャリストがジェネラリストになるために〜

=====12月度内容=====

実施日:2023年12月21日(木)19:30~21:45

スポンサードセミナー (タウンドクター株式会社)  19:35~20:05 
演題:「脂質異常症に関する最新トピックスと食事療法の重要性」
演者:帝京大学医学部内科学講座 教授 日本動脈硬化学会理事・ガイドライン委員長
塚本 和久 先生
日医生涯教育制度0.5単位 cc75 脂質異常症(申請中)

日臨内「かかりつけ医のためのWEB講座」① 20:10~20:40
演題:「かかりつけ医に役立つ「自律神経機能からみた薬物治療のコツ」~抗うつ剤を中心に」
日本臨床内科医会 学術部 心療内科班 豊田 英嗣
日医生涯教育制度0.5単位 cc. 70 気分の障害(うつ)(申請中)

日臨内「かかりつけ医のためのWEB講座」② 20:40~21:10
演題:「全身性エリテマトーデスの診断と治療」
日本臨床内科医会 学術部 アレルギー・リウマチ班 岩橋 充啓
日医生涯教育制度0.5単位 cc. 61 関節痛(申請中)

日臨内「かかりつけ医のためのWEB講座」③ 21:10~21:40
演題:「COVID-19流行下でのインフルエンザの診療と対策」
日本臨床内科医会 学術部 感染症班 池松 秀之
日医生涯教育制度0.5単位 cc. 8 感染対策(申請中)

日本臨床内科医会 認定医・専門医制度 5単位
日医生涯教育講座各0.5単位(cc 75, 70, 61, 8) (申請中)

現在「診療科を超えて予防接種率を改善するための教育活動」の調査研究を実施しています。

予防接種に関しては、これまで小児科を中心に実施されてきましたが、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹の予防ワクチンの高齢者での接種が推奨されています。

会員の皆様に、「50歳以上の成人および高齢者への予防接種」に関して、現在日本で接種可能なワクチンに関するWEBおよびFAXを用いたアンケート調査を複数回行い、50歳以上の成人での予防接種の接種状況を調査していますのでご協力をお願い致します。

今回は、2023年10月1日~2023年10月31日の1ヶ月のワクチン接種数のアンケートを実施します。

11月30日までにFAXあるいはURLからご回答下さい。

会員の皆様には是非、ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

日本臨床内科医会
学術部呼吸器班、インフルエンザ研究班


【WEBフォームでの回答】
アンケートフォーム 2023年10月分(2023/10/1~10/31)

【FAXでの回答】
FAX回答用紙 2023年10月分(2023/10/1~10/31)

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